ご挨拶


 日本応用心理学会第88回大会は、京都工芸繊維大学にて開催させていただくことになりました。実行委員会では、全国から会員の皆さんをはじめ、多くの方々をお迎えしようと準備を進めております。

 2年前の2020年、京都での開催を目指して準備を進めてきましたが、コロナ禍によって大会を中止せざるを得ませんでした。今となってはオンライン開催などの代替方法もあったのではないか、と考えることもありますが、2年前のあのとき、そこまで考える余裕がありませんでした。貴重な研究発表の機会を作ることができず、大変申し訳ありませんでした。

 2022年の現段階においても、先行きの見通しは決して明るいというわけではありません。対面での学会大会もかなり再開してきましたが、次の感染拡大によって大幅な変更となる可能性もあります。しかし、対面による研究交流の場を再開をめざし、実行委員会では京都の現地開催を中心とした学会大会の準備を進めています。もちろん、リモート技術がこの2年の間に定着しましたので、最大限に活用し、対面による濃いコミュニケーションとリモートによる気楽なコミュニケーションを両立させるような大会にしたいと思っています。

 前大会に引き続き、応用心理学普及のため大学学部生・高校生の参加費を無料とし、大学学部生だけでなく高校生を含めました「教育発表」も企画しています。

 いろいろなことが手探りで、実行委員会としてもチャレンジが重要だと感じています。学会大会への参加もいろいろな形式があって良いと思います。会員の皆さま方も参加者として、ご協力いただき、学会大会を盛り上げていただきますようお願い申し上げます。

  

日本応用心理学会 第88回大会実行委員会

委員長 来田宣幸

クロスロード原稿


「第88回大会に向けて」

(クロスロード14号2022年7月発行)

 

 

日本応用心理学会第88回大会の実行委員長を務める来田宣幸と申します。クロスロードには3年連続3回目の登場になりますが、いよいよ京都工芸繊維大学での学会大会が近づいてきました。現在のところ、予断を許さない状況ではありますが、2022917日(土)・18日(日)の2日間、通常の対面開催を基本として(一部オンライン配信を取り入れながら)開催する予定です。対面にライブ配信もおこないつつ、オンデマンド配信もおこなってしまおうとするフルスペック大会を目指しています。

多くの学会大会がリモート開催あるいは中止となった2020年度。そして、一部対面での大会を復活させた学会もありましたが、リモート開催が中心であった2021年度。なかなか終わりの見えないコロナ禍において、対面での開催が期待されるようになった2022年度。

原稿執筆時(20224月)の情報ですが、日本カウンセリング学会(85日~7日)、日本教育心理学会(810日~910日)、日本学校心理学会(821日)、日本自律訓練学会(107日~9日)などはオンラインのみの開催が予定されています。一方で、日本交通心理学会(867日)、日本犯罪心理学会(934日)などは対面開催予定と明記されており、さらに、「現地+ライブ配信+オンデマンド配信」のハイブリッド開催と記載されている日本心理学会(98日~11日)、日本特殊教育学会(917日~19日)、日本LD学会(1029日~30日)など、様々な実施形態となってきました。

まだ手探りで進めている状況ですが、大会の成功には会員の方々の支援が必要です。多くの方に参加いただくと同時に、大会において対面・非対面のコミュニケーションを通して盛り上げていただきたいと考えています。そのためにも、対面とオンラインの良さを活かした企画を直前まで練り上げていきます。

 

いろいろなコンテンツを計画しています。今からでもまだ間に合います。ぜひ、参加申し込みのクリックを押して下さい。そして、9月、現地で、あるいは、リモートで皆さま方とお会いできることを楽しみにしています。


「中止となった第87回大会」

 (クロスロード13号2021年3月発行)

 

 2020年8月29日(土)・30日(日)に京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパスにて日本応用心理学会第87回大会を開催すべく準備を進めてきました。例年通り3月下旬の第1号通信の発送に向けて、今回は文書&封筒ではなく、はがきで送りましょうか、など事務的な調整も最終段階でした。しかし、いよいよ新型コロナウイルス感染症の影響が各所で出始めてきた2020年3月30日、工繊大では学年暦の変更が発表されました。授業開始が1ヶ月遅れの連休明けとなり、その結果、大会期間が授業期間と完全に重なってしまいました。換気のこともあるため、当初予定していた大きめの講義室等の利用が難しくなる可能性が出てきたのです。今、振り返れば、結果的には前期は完全リモートになり、講義室の利用は問題ではなくなった訳ですが、結果的に、人が集まる学会大会の開催どこでではない事態になってしまいました。このような状況の中、3月下旬以降、理事長の藤田先生ほか様々な先生方との協議をおこない、2020年4月16日に第87回大会の中止が発表されました。

 開催時期の変更、開催形式をリモート学会大会の変更、などなど、冷静に振り返れば、代替案はあったのかもしれませんが、小さな大学で、かつ、先が見通せない状況の中、十二分な準備をする自信がありませんでした。研究成果を発表する場を作ることができず申し訳ありませんでした。学会誌においてその役割(学会発表の代替措置)を担っていただき、深く感謝いたします。

 さて、ここから2022年の第88回大会に向けて、再びエンジンをかけ直していきます。つきましては、前号のクロスロード17ページに記載した内容に関してです。数値で記載したり、ふわっと記載したりして、私としてはわかりやすく書いたつもりですが、位置関係が全くわからない!という声が次々と寄せられました。地図のことは頭の片隅にありましたが、著作権などが少し気になっていました。そこで、今回、手書きで京都の地図を描いてみました。確かに、図がないとわかりにくかったですね。。。文章で一生懸命書いたものが、わずか1枚の図に負けてしまうのが悔しいところですが。ちなみに、前号で記載したもののうち、先斗町歌舞練場の所在地だけは、今回の図から省かせていただきました。

 前号では、仮想現実での大会が実現しそうな世の中にあって、人が集まることの価値を追求したいと書きました。コロナ禍でリモートでの学会大会やZoom飲み会なるものも増えてきました。このような事態になることを想定していたわけではありませんが、まさに人が集まることの喜びが感じられるよう、リアルとバーチャルを組み合わせつつ、大会の存在意義を創出していきたいと思っています。

 


「第87回大会に向けて」

 (クロスロード12号2020年3月発行)

 

 2020年8月29日(土)・30日(日)に京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパスにて日本応用心理学会第87回大会を開催いたします。京都での開催は、1998年に龍谷大学で開催された第65回大会(大会委員長:田中昌人先生)、2010年に京都大学で開催された第77回大会(大会委員長:田中真介先生)以来10年ぶりとなります。

この3つの大学の所在地を確認しますと、

  • 龍谷大学深草キャンパス:東経135度45分58.35秒、北緯34度57分48.19秒、標高22.9m
  • 京都大学吉田南キャンパス:東経135度46分49.92秒、北緯35度01分28.12秒、標高56.2m
  • 京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパス:東経135度46分57.38秒、北緯35度02分58.41秒、標高72.7m

と、少しずつ北へ(5分/22年)、そしてほんのわずか東へ(1分/22年)、さらにちょびっとだけ宇宙の近くへ(50m/22年)進んできました(京都の地理・地形の場合、北の方ほど標高が高いですので、交絡をどう捉えるかは少しややこしいですが。。。)。

 京都の地理に詳しい方にはご存じかと思いますが、平安京は東西4.5km、南北5.2kmの長方形をしており、北の端にある一条戻橋は「東経135度45分07秒、北緯35度1分34.6秒、51.2m」、南の端の羅城門は「東経135度44分33.3秒、北緯34度58分45.4秒、標高20.5m」あたりになります。そうです。これまでの学会大会は、平安京の上をきれいに避けるようにやや東側を取って北上してきました。

 数字で表現すると、理解しやすくなるようでいて、直感的な理解が難しくなるのかもしれません。ふわっとした「平安京の上を避けて」のような表現が伝えるイメージにも大きな価値がありそうですが、それでいて、伝え切れていない情報があるのもまた事実です。

 情報をどのように伝えると良いのか。。。近年、デジタルの時代になり、アバターが学会発表のプレゼンをおこなってしまう仮想現実の実現も間近かもしれません。ARやVRを活用すれば、移動せずに研究の公表や交流も促進され、実質的に学会大会を開催することも可能かもしれません。

 そのような時代の中で、実際に人が集まる学会大会では何ができるのか、参加していただいた人に開催大学は何を提供することができるのか、開催される日(2020年8月)まで、とことん考え抜きつつ、準備を進めていこうと思います。人と人がリアルで集まって生み出される価値創生に少しでも貢献できれば、この上ない喜びです。さまざまな仕掛けを準備していきたいと思っていますので、ぜひ京都まで足をお運びいただけますよう、よろしくお願いいたします。今回も、「若手研究発表」を継続します。学部生の方も発表可能です。お声かけいただけると幸いです。

 

 なお、工繊大のキャンパスからは世界遺産の比叡山を間近にぞむことができます。比叡山の山頂は「東経135度50分04秒、北緯35度03分57秒、標高848.3m」。工繊大は比叡山から最も近い国立大学です(私立大学を含めると京都芸術大学に名称変更を予定している京都造形芸術大学にまけてしまいます。。)。キャンパスから、北へ1分、東へ4分ほどです。直線距離にして4.62kmですが、標高差は775.6m、大会の合間にちょっと散歩するには本格的な山登りになります。

 ちなみに、鴨川をどりで知られている先斗町歌舞練場(北緯35度00分29秒、東経135度46分16秒、標高38.9m)までの直線距離は4.62kmと比叡山山頂までとまったく同じですが、所要時間は遥かに短いです(徒歩1時間、バス・地下鉄30分、タクシー15分)。

 

 最後に、京都の夏は暑いです。8月29日の過去の最高気温をみますと、2019年:32.8度、2018年:36.2度、2017年:35.0度、2016年:29.1度、2015年:29.6度、2014年:30.0度、2013年:33.9度・・・となっています。暑熱対策につきましても心づもりをお願いいたします。